北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成25年度新発生病害虫]


たまねぎのネギハモグリバエ(新症状)


 平成25年9月、岩見沢市で収穫後のたまねぎ球内部の鱗片表面に、幅1.5mm程度の線状の潜り跡が認められた。潜り跡は首部から続いており、その先端部にはハモグリバエ類の幼虫が確認され多くは死亡し褐変していたが、幼虫の形態から加害種はネギハモグリバエLiriomyza chinensis (Kato)と判断された。被害球は、葉身に本種の著しい被害が確認されたほ場から収穫されたものであり、葉身を加害した本種幼虫が倒伏期から枯葉期頃に鱗片へ移動し加害したものと考えられた。潜り跡が横方向に長く続いている場合は、潜り跡の首側の組織が枯死していた。潜り後の首側の枯死組織は、乾燥して肩落ち球になっていたり、腐敗しており、いずれも規格内収量を低下させる原因となった。同様の鱗片被害は、本種による茎葉被害が多発した札幌市および富良野市でも認められた。

(中央農試・十勝農試・空知農業改良普及センター本所・石狩農業改良普及センター江別分室)



写真 ネギハモグリバエの幼虫によるたまねぎ鱗片の潜り痕(中央農試 武澤 原図)



写真 ネギハモグリバエの成虫(中央農試 武澤 原図)


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