北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成22年度新発生病害虫]

エビガライチゴのイチゴウロコタマバエ(新寄主)


  平成21年5月下旬、函館市の果樹栽培園において、小果樹エビガライチゴの枝幹に虫えいが散見された。虫えいは長径10〜30mm程度の紡錘形あるいは準球形の不整形であった。内部には体色がオレンジ色で体長2mm前後のウジ状幼虫が数頭みられた。また、採集した虫えいからは同年6月上旬に羽化成虫が確認された。羽化成虫の形態を調査した結果、加害種はイチゴウロコタマバエ Lasioptera rubi Heegerと同定された(理化学研究所 徳田誠氏同定)。
 本種はヨーロッパからロシア極東地域、朝鮮半島および日本全土に広く分布し、キイチゴ属(Rubus)の枝に虫えいを形成することが知られている。

(道南農試・渡島農業改良普及センター本所)

エビガライチゴのイチゴウロコタマバエ(虫えい,渡島渡島農業改良普及センター山口氏 原図)

イチゴウロコタマバエによるエビガライチゴの虫えい
(道南農試技術普及室 原図)

エビガライチゴのイチゴウロコタマバエ(成虫,道南農試 高田氏 原図)

イチゴウロコタマバエ成虫(道南農試 高田氏 原図)


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