北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成22年度新発生病害虫]

ストックのモザイク病(新発生、病原の追加)


 平成20年10月、上川地方でストックに葉の淡いモザイクや花の斑入り症状が発生した。
 エライザ法でウイルス検定を行ったところ、キュウリモザイクウイルス(CMV)抗血清に反応が認められた。分離したウイルスを6科18種の植物に接種した結果、ナス科植物10種に全身感染したほか、ささげ、アカザに局部感染が認められた。また、ククモウイルス属ウイルスを検出するChoiら(1999)のユニバーサルプライマーを用いてPCRを行った結果、945bpの特異的な増幅バンドが認められ、その塩基配列はCMV(SubgroupT)と92〜98%の相同性が認められた。ストックに戻し接種したところ、原病徴が再現された。
 以上から、CMVによるモザイク病の発生を確認した。本邦で報告されているストックモザイク病の病原はカブモザイクウイルスのみであることから、CMVを病原ウイルスとして追加した。

(中央農試・花・野菜技術センター)

ストックのモザイク病 (花弁の斑入り,中央農試 堀田氏 原図)

ストックのモザイク病による花弁の斑入り(中央農試 堀田氏 原図)


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