北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成21年9月、北斗市で栽培中のにら(品種「パワフルグリーンベルト」)養成株で、葉の全体または一部に白色ないし灰色霜状のかびを密生する病斑が確認された。 このかびは病原菌の分生子柄と分生子であり、分生子柄は気孔から外表に現れ、基部の太さは12〜18μmで、数回叉状に分岐し、先端に洋梨形ないし紡錘形、灰色ないし暗紫色の分生子を形成した。分生子は大きさ34〜69×22〜32μmで、発芽管により発芽した。これら形態的特徴およびAllium属に感染するべと病菌の分類等から、本菌をPeronospora destructor (Berkeley) Casparyと同定した。また、rDNA-ITS領域の塩基配列はP.destructorのものと99%一致し、形態による同定結果が支持された。我が国では、にらにおける本病害の発生報告はないため、本病をニラべと病と呼称する。 (道南農試・花卉研究所・農業生物資源研究所・野菜茶業研究所) |
にらのべと病の発病株 (道南農試 三澤氏 原図)
べと病の病斑 (道南農試 三澤氏 原図) |