北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成21年5月北斗市内のハウス栽培キャベツ(品種「スピードボール」)、同年8月鹿追町の露地栽培キャベツ(品種「さつき女王」)、並びに平成22年9月士別市の露地栽培キャベツ(品種「大藤」)で収穫期に結球部が腐敗する症状が発生した。発病株の結球葉は褐色ないし淡黒色の病斑で全体が覆われ、一部外葉にも同様の病斑を形成した。結球部の発病は外側1〜3枚程度のみであった。 病斑部からは単一の糸状菌が分離され、分離菌をキャベツに接種すると原病徴が再現され、接種菌が再分離された。分離菌は、菌糸はほぼ直角に分岐し、分岐部はくびれ、分岐部付近に隔壁を形成した。また、菌糸幅は平均7.0〜9.0μm、多核(平均6.4〜8.7個)であることから、本菌をRhizoctonia solani Kühn、本病をキャベツ株腐病と同定した。分離菌の菌糸融合群(AG)および亜群は、菌糸融合反応、培養菌叢、温度反応および亜群特異プライマーによるPCR法での解析結果から、AG-1TBおよびAG-2-1であった。 (道南農試・十勝農試・上川農試・渡島農業改良普及センター本所・ |
キャベツの株腐病の発病株 (十勝農試 大平氏 原図) |