北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成22年3月、北斗市内のハウス栽培だいこん(葉だいこん用品種)で、葉腐症状が発生した。発病株は接地した葉身および葉柄が激しく腐敗するとともに、中心葉の葉身には黒褐色輪紋状の病斑を形成した。病斑部からは単一の糸状菌が分離され、分離菌の接種により原病徴が再現され、接種菌が再分離された。 分離菌は、菌糸はほぼ直角に分岐し、分岐部はくびれ、分岐部付近に隔壁を形成した。また、菌糸幅は平均8.6μm、多核(平均8.7個)であることから、本菌をRhizoctonia solani Kühn、本病をダイコンリゾクトニア病と同定した。分離菌の菌糸融合群(AG)および培養型は、菌糸融合反応、温度反応、培養菌叢からAG-2-1・培養型Uであった。 本菌による根部の腐敗・粗皮症状は、道内で広く発生しているが、葉腐症状の発生報告はこれまでない。 (道南農試・渡島農業改良普及センター本所) |
リゾクトニア病による葉の斑点症状(道南農試 三澤氏 原図)
リゾクトニア病による葉身腐敗症状(道南農試 三澤氏 原図) |