北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成21年度新発生病害虫]

マルメロの炭疽病(新発生)


 平成20年10月、北斗市で収穫期のマルメロ(在来種)果実が腐敗する症状が発生した。発病果は、陥没した褐色の不整形〜円形の病斑を形成し、病斑部にはオレンジ色の分生子塊を生じた。病変部からは単一の糸状菌が分離され、分離菌を接種すると原病徴が再現され、発病部から接種菌が再分離された。分離菌のPDA培地上での培養菌そうははじめ白色のち灰色となった。菌糸の生育適温は25℃で、菌糸の生育速度は遅かった。分生子は両端が尖った紡錘形で、大きさは平均13.1〜16.9×4.9〜5.6μm、付着器は楕円形・棍棒状で凹凸はなく、大きさは8.8〜14.5×4.5〜7.2μmであった。ジエトフェンカルブ含有培地、ベノミル含有培地の菌そう直径は、無添加培地に対し20%以上生育した。以上より分離菌をColletotrichum acutatum Simmonds ex Simmonds、本病をマルメロ炭疽病と同定した。

(道南農試・渡島農業改良普及センター本所)

マルメロの炭疽病 (道南農試 三澤氏 原図)


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