北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成19年10月、江差町と厚沢部町のストック(品種「朝波」、「マリンカルテット」、「クールピンク」、「アプリコット」)で葉に激しい退緑斑紋や輪紋症状が現れる症状が発生した。生育も抑制され、開花不良が見られるなど被害は大きい。エライザ法でウイルス検定を行ったところ、ソラマメウイルトウイルス2(BBWV2)抗血清にのみ強く反応が認められた。罹病葉からアカザを用いてウイルスを単離し、ペチュニアに全身感染させ、この罹病葉汁液をストック(品種「朝波」、「マリンカルテット」、「クールピンク」)に接種したところ、原病徴の退緑斑紋と生育抑制が再現され、花弁の斑入りも確認した。加えて、各種植物にペチュニア葉汁液を接種した結果、たばこ(N.benthamiana など3種)のほか、そらまめ、えんどう、ごま等に全身感染が認められ、てん菜、ツルナに局部感染が認められた。また、ファバウイルス属ウイルスを検出するユニバーサルプライマーで診断したところ、特異的な増幅バンドが認められ、その遺伝子配列はBBWV2に93〜96%の相同性が認められた。以上から、BBWV2によるストック斑紋病の発生を確認した。 (中央農試・道南農試・檜山農業改良普及センター本所) |
ストックの斑紋病 (中央農試 堀田氏 原図) |