北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成21年度新発生病害虫]

フリージアのモザイク病(新発生)


 平成18年8月、鵡川町のフリージアで葉脈に沿った退緑斑を形成するモザイク症状が発生した。また、激しい株では葉の湾曲症状が発生し、生育抑制も起こる。エライザ法でウイルス検定を行ったところ、インゲン黄斑モザイクウイルス(BYMV)抗血清にのみ強く反応が認められた。罹病葉からアカザを用いてウイルスを単離し、いんげんまめに全身感染させ、この罹病葉汁液を健全なフリージア(品種「ポートサル」)に接種したところ、原病徴のモザイク症状が再現された。加えて、各種植物にいんげんまめ葉汁液を接種した結果、たばこ(N.benthamiana および N. clevelandii )のほか、そらまめ、えんどう、だいずに全身感染が認められ、ツルナ、千日紅、アカザおよびシロザに局部感染が認められた。また、ポティウイルス科ウイルスを検出するユニバーサルプライマーでウイルス遺伝子を診断したところ、特異的な増幅バンドが認められ、遺伝子配列(外被タンパク質領域)はBYMVに99%の相同性が認められた。以上から、BYMVによるフリージアモザイク病の発生を確認した。

(中央農試・胆振農業改良普及センター東胆振支所)

フリージアモザイク病 (中央農試 堀田氏 原図)


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