北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成21年1月、貯蔵中の網走支庁管内産ニンジンにおいて根部の褐色斑点症状が発生した。発病根部は、表皮に径1〜5mm程度、楕円形〜不整形の黒色斑点病斑を形成し、維管束には、環状の黒変症状を生じた。病変部からは単一の糸状菌が分離され、分離菌の接種により原病徴が再現され、発病部から接種菌が再分離された。分離菌の分生子は分生子柄先端に単生、稀に2連鎖または2〜3個の房状、淡褐色〜褐色、卵形〜楕円形・紡錘形で無嘴、大きさは18〜52×10〜23μmで2〜7の横隔壁および0〜4の縦隔壁を有する.分生子柄は主に50〜200μm,稀に1mm以上のものも確認された。以上の形態的特徴より分離菌をAlternaria radicina Meier, Drechsler & Eddy、本病をニンジン黒斑病と同定した。 本病は主に根部に発生するが、茎葉に発生し黒葉枯病類似の症状を示すこともある。 (道南農試・ホクレン農総研) |
にんじんの黒斑病 (ホクレン農総研 原図) |