北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成21年4月、北斗市内のハウス栽培かぶ(品種「玉里」)で収穫期に根部に褐変を生じる病害が発生した。発病株は根部に亀裂を生じその周辺が褐変し、内部が軟化腐敗した。重症株は外葉から黄化・萎凋した。病変部からは単一の糸状菌が分離され、分離菌を接種するとかぶでは原病徴が再現され、だいこん、はくさいにも病原性を示した。発病部からは接種菌が再分離された。分離菌の菌糸は幅が平均8.2μmでほぼ直角に分岐し、分岐部はくびれ、分岐部付近に隔壁を形成したことから、分離菌をRhizoctonia solani Kühn、本病をカブ根腐病と同定した。分離菌の菌糸融合群(AG)および培養型を菌糸融合反応および培養性質により同定した結果、AG-2-1(培養型U)であった。 (道南農試・渡島農業改良普及センター本所) |
かぶの根腐病 (渡島農業改良普及センター本所 井上氏 原図) |