北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
留萌中部地域(苫前町)では平成15年頃より、7月中旬〜9月にかけて収穫期メロンの下部が食害される症状が発生していた。被害としては主に果実下部(花痕部付近)に幅10〜20mm、深さ5〜10mm程度の円〜楕円形状の穴があくものであった。平成16年留萠農業改良普及センター本所が調査したところ、被害の多いハウスにコオロギの発生が多いことを認め、放虫試験を行ったところ、エゾエンマコオロギ(Teleogryllus yezoemma(Audinet-Serville))により被害が生じることが確認された。同様な被害は、空知管内の新十津川町、奈井江町、栗山町および長沼町のメロンハウスでも認められた。 後志管内の共和町では、露地トンネル栽培でも被害がみられたため、平成20年10月上旬に共和町で発生のみられるエンマコオロギ(Teleogryllus emma(Ohmachi et Matsuura))成虫の放虫試験を行ったところ、エゾエンマコオロギと同様の円形状の穴があく被害が認められた。 以上から、北海道全域に分布するエゾエンマコオロギ、道央以南に分布するエンマコオロギの両種がメロンを食害することが明らかになった。 (原子力環境センター・中央農試・留萌農業改良普及センター本所) |
メロンを食害するエンマコオロギ (花・野菜技術センター 大久保氏 原図) |