北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成21年度新発生病害虫]

きゅうりの褐斑病(耐性菌の出現)


 北海道では平成17年に本病原菌のカルベンダジム、プロシミドン、ジエトフェンカルブ耐性菌が報告された。その後、アゾキシストロビンの防除効果についても低下が疑われたため、「植物病原菌の検定マニュアルU」の方法に従い、上川支庁管内2町23地点、空知支庁管内3市町37地点から分離した540菌株について、アゾキシストロビンに対する感受性を調べた。その結果60地点中58地点から耐性菌が検出され、耐性菌株率も96.5%と高く、道内の褐斑病多発地域ではアゾキシストロビンの耐性菌も広く分布していることが明らかとなった。また、ボスカリドに対する耐性について、上川支庁管内1町4地点、空知支庁管内1市10地点から分離した156菌株を用い、同書の方法に従って検定を行った結果、2地点 17菌株が耐性であった。ボスカリド耐性菌は現在は低率ではあるものの、他県では少ない散布回数で短期間に高率で発生している例もあり、今回検出されなかった地域でも耐性菌の発生を予防するため、本剤の使用は、発生初期の1作期1回にとどめることが望ましい。

(上川農試・空知農業改良普及センター本所・北空知支所・上川農業改良普及センター本所)

きゅうりの褐斑病 (上川農試 長濱氏 原図)


新発生病害虫一覧へ戻る

ホームページへ戻る