北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成20年度新発生病害虫]

ジャガイモYウイルス(PVY)によるピーマンのモザイク病(病原の追加)


 平成18年7月、東神楽町でピーマン(品種:「さらら」)に葉がモザイクとなり、のちにえそが現れる症状が発生した。エライザ法でウイルス検定を行ったところ、ジャガイモYウイルス(PVY)の普通系統(O系統)抗血清にのみ強く反応が認められた。単離したPVYのたばこ感染葉をピーマンの5品種に接種したところ、4品種(「さらら」、「みおぎ」、「京鈴」および「エース」)でモザイクやえそ症状が認められた。「あきの」ではモザイク症状のみが現れた。その他植物への接種ではナス科植物(たばこ6種、ばれいしょ、トマト、ペチュニア、Physalis floridanaDatura stramonium )で全身感染が認められ、アカザ科アカザに局部病斑が認められたものの、ツルナ科、ヒユ科、マメ科、ウリ科、イネ科を含む11植物には感染しなかった。また、ウイルス外被タンパク質領域のアミノ酸配列は既報のPVYーO系統と96〜99%と最も高かった。以上から、PVY-O系統によるピーマンモザイク病と同定した。

(中央農試)

葉のモザイク症状


新発生病害虫一覧へ戻る

ホームページへ戻る