北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成18年3月および平成19年4月に、知内町のにら収穫株(品種「パワフル・グリーンベルト」)で萌芽遅延および萌芽した葉が白色〜クリーム色に枯れる症状が発生した。発病株は葉身先端部を中心に変色して、腐敗し葉身全体がよじれた。病変部からは単一の糸状菌が分離され、分離菌を接種すると原病徴が再現され、接種菌が再分離された。分離菌の菌糸はほぼ直角に分岐し、分岐部はくびれ、分岐部付近に隔壁を形成したことから、分離菌をRhizoctonia solani Kuhnと同定した。分離菌の菌糸融合群(AG)および亜群を菌糸融合反応、培養性質および亜群特異プライマーによるPCR法により解析した結果、AG-2-1(培養型U)であった。Rhizoctonia solani によるにらの病害として、AG-4による葉腐病が報告されているが、葉腐病は養成株の外葉に発生する病害であり、本病とは病徴が異なることから病名をニラ白色葉腐病(新称)とすることを提案した。
(道南農試・渡島農業改良普及センター渡島南部支所・北海道医療大学) |
ほ場での発病株 |