北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成20年度新発生病害虫]

ねぎのリゾクトニア葉鞘腐敗病(新称)


 平成19年8月、北斗市のねぎ栽培ほ場で、定植約3ヶ月後の株(品種「白羽一本太」)の外葉が枯れる症状が発生した。発病株を掘り上げると葉鞘部が淡褐色を呈し、軟化・腐敗していた。腐敗した葉鞘部とつながった葉身は枯死し、引っ張ると容易に離脱した。病変部からは単一の糸状菌が分離され、分離菌を接種すると原病徴が再現され、接種菌が再分離された。分離菌の菌糸はほぼ直角に分岐し、分岐部はくびれ、分岐部付近に隔壁を形成したことから、分離菌をRhizoctonia solani Kuhnと同定した。分離菌の菌糸融合群(AG)および亜群を菌糸融合反応、培養性質および亜群特異プライマーによるPCR法により解析した結果、AG-4 HG-Tであった。Rhizoctonia solani によるねぎの病害として、苗立枯病が報告されているが、本ぽで発生する本病は苗立枯病とは明らかに病徴が異なることから病名をネギリゾクトニア葉鞘腐敗病(新称)とすることを提案した。

(道南農試・渡島農業改良普及センター本所・北海道医療大学)

発病株


新発生病害虫一覧へ戻る

ホームページへ戻る