北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成20年度新発生病害虫]

ねぎの黒穂病 (新発生)


 平成20年4月、七飯町のハウス育苗中のねぎで葉身内部から黒色の粉状物を噴出し、立ち枯れる病害が発生した。被害部に生じた黒色粉状物を顕微鏡で観察すると、褐色〜黒褐色、球形〜広楕円形の黒穂胞子が数個密着し胞子団を形成し、その周辺に透明・球形の不稔細胞が付着していた。胞子団の大きさ(不稔胞子を除く)は平均18.8×16.9μmであった。以上から本菌をUrocystis cepulae Frostと同定した。胞子団を土壌に接種し、ねぎ、たまねぎを播種したところ、ねぎでは原病徴が再現され、たまねぎでも同様の症状を示した。接種により発病した株を観察したところ、胞子団が観察された。以上より本症状をネギ黒穂病と同定した。本病は罹病株や黒穂胞子が土壌中に残り伝染する。25℃以上では発病しない。本菌によるタマネギ黒穂病は古くから発生が知られている。

(道南農試・渡島農業改良普及センター本所)

発病株


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