北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成20年度新発生病害虫]

ばれいしょの紅色斑点病(新称)


 平成19年網走支庁管内で市販されたばれいしょの塊茎および檜山支庁管内で収穫されたばれいしょの塊茎の表面が紅色に着色する症状が発生した。このような症状は以前から道内各地で発生していることが知られていたが、詳細な検討がされていなかった。塊茎表面の紅変部分からは、単一の糸状菌が分離され、分離菌を接種したところ、症状が再現され、接種菌が再分離された。本菌はPDA培地中に紅色の色素を産生し、黒色、球〜亜球形で剛毛を有する柄子殻を形成し、内部に無色、単胞、長楕円形の柄胞子が充満していた。柄子殻の直径は70〜330μm、柄胞子の大きさは3.6〜6.2μm×1.7〜2.3μmであった。柄子殻および柄胞子の特徴から本菌をPyrenochaeta sp.と同定し、病名を紅色斑点病(新称)として提案した。種名の同定にはさらに検討を要する。

(北見農試・道南農試)

罹病ばれいしょ塊茎


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