北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成19年度新発生病害虫]

食用ゆりのカタクリハムシ(新寄主)


 平成18年12月に真狩村で、貯蔵している食用ゆりの鱗片に潜って食害した跡がみられた。症状は鱗茎表面の表皮下を幅2mm程度の溝が走り、表皮が破れて褐変した内部の食害部が断続して露出した。被害球率は1%程度であったが、潜孔内部の褐変症状により被害球は出荷困難な状態であった。被害球の一部で鱗茎中心部に入り込む症状がみられ、この中心部から白色で体長約10o、腹脚を欠き短い胸脚を持つ幼虫が採集された。この幼虫から、加害種はカタクリハムシ Sangariola punctatostriata (Motschulsky)と同定された(松沢春雄氏同定)。本種の成虫は体長5〜7o、体背面は赤褐色、体腹面、触角、脚は黒色で、北海道では5〜9月にかけて観察される。幼虫はユリ科植物の鱗茎に潜るとされている。寄主植物はカタクリ、オニユリ、ヤマユリなどのゆり類である。

(中央農試・病害虫防除所)


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