北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成19年4月から5月にかけて、北斗市および函館市のいちごのハウスにおいて、カスミカメ類の被害と考えられる新葉の縮葉とかすり状の食害痕および果実の奇形が発生した。発生ハウス内ではほぼ全株に被害がみられ、局所的に奇形果のため収穫皆無の株がみられた。 被害の発生したハウスには、緑色のカスミカメの成虫・幼虫が認められた。成虫の頭部中葉の暗化斑および前翅楔状部先端の暗化などの特徴から、ツマグロアオカスミカメ Apolygus spinolae (Meyer-Dür)と同定され、本種の吸汁加害が当該症状の原因と考えられた。前年秋に侵入し、ハウス内で増殖したものが、無防除であったハウスで被害を発生させたものと考えられる。3月から4月には芽や花房の付け根に多数の幼虫の寄生がみられ、4月下旬頃に成虫がハウス内で飛翔しているのが確認された。 (道南農試) |
上:果実の被害、下:葉の被害 |