北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
道内において、これまでトマトの葉かび病菌
Fulvia fulva
(Cooke) Ciferriはレース2のみが報告されており、レース0及び2に抵抗性の遺伝子Cf-4を持つ品種では薬剤防除なしに栽培可能であった。しかし、Cf-4を持つ品種「桃太郎ファイト」での発病が認められ、新レースの発生が懸念されたため、平成17年に渡島、後志、胆振支庁管内各3地点、空知、上川支庁管内各7地点、日高支庁管内5地点から分離した28菌株について「桃太郎ファイト」に対する病原性を検定した。その結果、調査を実施した全6支庁から得られた合計22菌株が「桃太郎ファイト」に病原性を示し、道内未確認の新レースであることが確認された。他県では、すでにレース2.4、2.4.11、4、4.11の発生が確認されており、今回道内で確認された新レース22菌株を、これら4レースに抵抗性を示す、抵抗性遺伝子Cf-9を持つ品種「桃太郎コルト」に接種すると、いずれも発病しなかった。新レースは現在の作付品種にかかわらず道内全域に高頻度に分布しており、発生の回避にはこれらのレースに対応したCf-6、9などCf-2、4、11以外の抵抗性遺伝子を持つ品種の作付が必要となる。
(道南農試) |