北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成18年8月中旬、江別市および富良野市においてアロニアの葉裏に数十頭の幼虫が群棲して食害する被害が発生した。若齢幼虫の頭部は光沢のある黒色で体色は紫赤色であるが、老熟すると体色は黒褐色になるとともに全身にまばらに生じる灰白色のやや長い毛が目立ち、体長は50mm程度となった。加害種は幼虫の形態によりモンクロシャチホコPhalera
flavescens (Bremer et Grey)であることが確認された。
本種は年1回の発生、成虫は開張50mm程度で、頭・胸部、前翅は暗黄色を帯びた灰白色である。卵は黄白色の球形で葉裏に数十〜数百が並べて産み付けられ、老熟幼虫は地中で蛹化した後そのまま越冬し、翌年に羽化する。 園地における被害は幼虫による葉の食害であり、オウトウ、リンゴ、ナシ、モモ・スモモ、ウメ等、多くのバラ科果樹を加害する。 (病害虫防除所・上川農試) |
群棲する幼虫と被害葉 |