北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成18年度新発生病害虫]

アロニアのツツムネチョッキリ(新寄主)


 平成18年6月中旬、伊達市大滝地区においてアロニアの新梢先端付近が折られて先端部が枯凋する被害が発生した。発生ほ場のアロニア新梢上には体長4mm程度、藍色から藍紫色の小型のゾウムシ成虫が認められた。また、8月下旬には同種成虫が口吻を成熟前のアロニア果実に刺し、径2mm程度の小孔を穿ち内部を食害したため、被害果は早期に落下した。加害種は、ツツムネチョッキリInvolvulus cylindricollis (Schilsky)と同定された(北見農試、古川)。本種は越冬成虫がバラ科樹木(ナナカマド、ズミ、カマツカ、サクラ、エゾノコリンゴ)の新梢先端部を折り、その部分に産卵して幼虫が萎凋した先端部の内部を食害、新成虫はナナカマドなどの果実に孔を開けて摂食し、年1化とされている。発生地では9月にアロニア果実内部を食害するゾウムシ幼虫が発見されたが、本種との異同は未確認であり、道内における本種の発生経過の詳細は不明である。

(病害虫防除所)


上:成虫、中:被害果、下:被害新梢


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