北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成18年度新発生病害虫]

トマトの株腐病(新称)


 平成16年5月、渡島管内大野町(現:北斗市)のハウス栽培トマト(品種「招福パワー」)で収穫期に株が青枯れる症状が発生した。発病株の地際部は、外側から褐変・軟化していた。病変部からは単一の糸状菌が高率に分離された。分離菌を接種した土壌にトマト苗(品種:「ハウス桃太郎」)を定植したところ、病徴が再現され、接種菌が再分離された。分離菌を、形態的特徴からRhizoctonia solani Kuhnと同定した.菌糸融合群(AG)は、AG-3であった。本病は、本邦で未報告の病害であることから、病名をトマト株腐病(新称)とした。

 本病の地上部の症状は青枯病に酷似するが地際部の褐変により容易に区別できる。本病の発生はこれまでに、平成10年に伊達市、平成16年に知内町でも確認されている。大野町での発生事例では、同一ハウスで3年連続で発生し、年々被害が拡大する傾向にあることから土壌伝染する可能性が高いと考えられる。

(道南農試)


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