北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平本病は平成10年にコスモスで報告された病害であるが、病原菌は
Entyloma
sp. で、種名は明らかにされていなかった。
本病は園芸用コスモス種
C. bipinnatus
にのみ発病することから、本病の標本とコスモス属種(
C. sulphreus
および
C. caudatus
)に寄生する
Entyloma holwayi
の罹病標本について菌種の異同を検討した。
その結果、
E. holwayi
は厚膜胞子(黒穂胞子)が9-15μm、胞子壁が1-3μmで不完全時代(
Entylomella
sp.)である分生子を形成しないのに対し、
園芸種に寄生する菌種は厚膜胞子が10.5-21μmと大きく、胞子壁も1.5-5μmと厚く、分生子を形成した。
以上の形態的差異に基づき、コスモス白斑病菌は
Entyloma cosmi Vánky, Horita & Jage(新種)と同定・記載された。
(花・野菜技術センター) |