北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成16年7月、石狩支庁管内で栽培されたピーマンのトウガラシマイルドモットルウイルス(Pepper mild mottle virus
:PMMoV)抵抗性(L3)品種「みおぎ」の葉にモザイク症状を呈する株が発生した。
また、平成17年5月、日高支庁管内の「みおぎ」でも同様の症状が発生した。
主な症状としては若い葉に淡黄色のモザイク症状を示し、特に新葉は健全葉に比べ凹凸を生じ、葉縁がお椀状に反る。
発病株は若干萎縮する。
発病株から病原ウイルスを分離し、ピーマンへの戻し接種による病徴の再現 およびPMMoV抗血清(日本植物防疫協会製)を用いたエライザ法による検定の結果から、病原ウイルスと同定した。 さらに、L3抵抗性遺伝子をもつ「みおぎ」に接種した結果、全身感染が認められたことから、 これまで道内では未発生のPMMoVの病原型(P1,2,3型)であると同定した。 PMMoVは管理作業や株の接触等により伝染して急激に発病が拡大するので早期発見につとめ、 発生株が確認された場合は、その周辺株を含め根を残さないように抜き取り処分する。 この病原型が蔓延すると、抵抗性(L3)品種は防除対策としての利用は困難となるので今後の発生に注意が必要である。 尚、本病の詳細については平成17年度病害虫発生予察情報特殊報第2号を参照のこと。 (中央農試) |
縮葉症状とモザイク症状 |