北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成17年8〜9月、壮瞥町、洞爺村、滝川市および東川町で葉裏を主体に白色粉状の病斑が形成される症状が多発した。
葉表では淡黄色に変色した病斑が形成され、中心部が褐点となる症状が現れる。
葉裏では葉脈に沿って組織が褐変し、その表面あるいは周囲に白色粉状の病斑を生ずる。
葉全体に病斑が形成されると黄化して落葉した。
現地圃場では9月に初発し、11月にすべての葉が落葉した圃場も認められた。
白色病斑は本病菌の分生子によるもので、分生子柄上に単生または2個連生する。 本菌は内部寄生し、主に気孔から分生子柄を突出する。 分岐した分生子柄も見られ、それぞれに分生子を形成する。 先端に形成される分生子は先端が細くとがった棍棒状となり、 これに連生する分生子は両端が丸く、円筒形あるいは長楕円形である。 大きさは先端の分生子で59.5〜79.6×13.9〜19.3μm(平均69.5×15.8μm)、 円筒形の分生子は50.3〜86.9×12.6〜19.8μm(平均67.1×16.5μm)であった。 閉子のう殻の形成は認められなかった。 分生子懸濁液をピーマン(品種「みおぎ」)に接種したところ、約2週間後に白色で粉状の病斑が葉に再現された。 以上のことから、本病は Oidiopsis sicula Scaliaによるうどんこ病と同定された。 (花野菜技術センター・上川農試・病害虫防除所) |
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