北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成17年6月、上川支庁管内の富良野市、上富良野町および中富良野町で
メロンの子葉、本葉、つるおよび果実が褐色〜黒褐色に腐敗する症状が発生した。
子葉および本葉では葉縁から暗緑色で水浸状の病斑が形成され、後に褐色病斑となった。
つるにもはじめ水浸状でのちに褐色となる不整形病斑が現れた。
果実では黒褐色で水浸状の病斑が表面に認められ、果肉は種子付近まで淡褐色に変色していた。
病斑部から細菌の噴出が検鏡されたことから、分離を行い、12菌株を得た。 分離細菌をメロンに接種したところ、同様の症状が再現され、接種細菌が再分離された。 また、メロン、スイカを含むウリ科8植物とナス科3植物に病原性を有した。 病原細菌の性質を調査したところ、対照に用いたスイカ果実汚斑細菌病菌 Acidovorax avenae subsp. citrulli と一致し、血清反応でも陽性であった。また、PCR法で病原細菌の同定を行ったところ、 A.avenae subsp. citrulli で特異的に増幅するDNA断片が検出された。 以上から、病原細菌は Acidovorax avenaesubsp.citrulli (Schaad, Swoell, Goth, Colwell & Webb) Willems, Goor, Thielemans, Gillis, Kersters & De Leyと同定された。 本病は本邦未発生の病害であることから、病名をメロン果実汚斑細菌病(新称)と提案した。 本病の詳細については平成17年度病害虫発生予察情報特殊報第1号を参照のこと。 (花野菜技術センター・横浜植防・上川農試) |
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