北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
きゅうりの褐斑病は、道内で平成13年に報告された後発生が拡大し、現在5支庁管内で確認されている。
他県ではすでに数種の薬剤の耐性菌が報告されており、本道においても防除薬剤の効果低下が疑われたため、
平成16〜17年に空知支庁管内4地点、上川支庁管内8地点の計12地点から分離した273菌株について、
ベンズイミダゾール系薬剤の活性体MBC(M)、ジカルボキシイミド系のプロシミドン(P)、ジエトフェンカルブ(D)の耐性検定を行った。
その結果、両支庁管内において耐性菌が認められ、
供試薬剤それぞれに対する耐性菌割合はMが100%(7.7%は中等度耐性)、Pが92.3%、Dが37.7%であった。
本来、M耐性菌はDに対して感受性、M感受性菌はDに対して耐性という負の交差耐性をもつが、
M・D両方に耐性の菌株が30.0%認められ、これらの菌株はすべてPにも耐性であった。
このような菌株が確認された5地点では、道内で広く使用されているジエトフェンカルブ・チオファネートメチル水和剤
およびジエトフェンカルブ・プロシミドン水和剤の効果は期待できないと考えられる。
(上川農試) |
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