北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成16年度新発生病害虫]

ヤーコンのエゾギクトリバ(新寄主)、クロモンキノメイガ(新発生)


   平成13年6月、花・野菜技術センターほ場(滝川市東滝川)に栽培されていたヤーコンの芽部に食入している幼虫が確認された。成虫の同定を農環研昆虫分類研の吉松慎一氏に依頼し、本種はトリバガ科エゾギクトリバPlatyptilia farfarella (Zeller)と同定された。
    幼虫は5−6月にヤーコンの頂芽部に食入し、茎内部を食害するため、主茎先端部が枯れ、初期生育が大きく阻害された。被害株率は1%以下であったが、多発した場合には、影響は大きいと考えられる。

    同年6月、同ほ場において、芽近くの若葉を捲いている幼虫が確認された。成虫の同定を吉松慎一氏に依頼し、本種はメイガ科クロモンキノメイガUdea testacea(Butler)と同定された。本種は、アブラナ科野菜等多種類の作物の害虫として知られるが、既 知の分布域は宮城県以南で、北海道での記録は無い。ヤーコンの種塊茎は平成12年および13年春に府県から導入していることから、持ち 込みによって発生した可能性も考えられる。本種の発生量は少なく、被害も軽微であった。

(道南農試、花野菜センター)


エゾギクトリバ

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