北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
大豆の紫斑病は主に道南地方で発生している病害で、葉、茎、莢および子実に発生する。そのうち、子実の病徴が最も顕著で、表面に紫斑を生じ、著しい場合は全体が濃紫色〜紫黒色となり種皮に亀裂が入る。 平成16年、後志(「ツルムスメ」)・檜山(「ユウヅル」)支庁管内で本病の発生が認められた。チオファネートメチル剤を散布したにもかかわらず発生したほ場もあり、本州では既に本剤の耐性菌が報告されているため、後志1ほ場、檜山5ほ場から分離された111菌株について耐性検定を実施した。その結果、すべてのほ場の110菌株でチオファネートメチル800ppmおよび1600ppmを添加したジャガイモ煎汁寒天培地でも、薬剤無添加の培地と同様に菌糸の生育がみられ、耐性菌であることが判明した。 本病の発生地域では、結莢期間中にチオファネートメチル剤が1〜2回散布されているが、防除効果が低下していると考えられるため、今後は本剤以外の薬剤を使用することとする。また、本病は種子伝染するが、臍のみに発生した場合は健全種子と見分けにくいため、採種ほ産の種子を使用するとともに、種子消毒を行うことが重要である。 (中央農試) |