北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成15年度新発生病害虫]

牧草類のカスミカメ類(新寄主・新発生)


○ライグラスの
アカスジカスミカメ(Stenotus rubrovittatus (Matsumura))(新寄主)


発生場所:木古内町のライグラス混蒔イネ科牧草地

    平成15年9月上旬、木古内町のライグラス混蒔のイネ科牧草地(7か所: 各1-2ha)で、アカスジカスミカメ成虫・幼虫が捕虫網10回すくい取りの3〜5回平均値で2.0〜9.8頭捕獲された。

    主にライグラスの穂に寄生がみられ、ライグラスが集中している部分では最 多21頭捕獲された場合もみられ、1穂に2〜5頭程度の成虫が寄生しているのが 観察された。 同調査で、アカヒゲホソミドリカスミカメ成虫は0〜1.7頭であった。 しかし、これらの圃場に隣接していても、ライグラスがない圃場ではほとんど発生 がみられないことから、本種はライグラスが好適寄主で増加したものと考えられる。 発生地は牧草地がかたまった地帯であるが、一部、水田と牧草地が隣接して いる場所で、畦畔沿いの エノコログサ等に寄生がみられた場所もあった。

○イネ科牧草類のフタトゲムギカスミカメ(Stenodema calcarata (Fallen))
  (旧名ムギメクラガメ)(新寄主)


発生場所:渡島・檜山支庁管内のイネ科牧草地

    本種は、道内でもイネの害虫として知られるが、従来からイネ科牧草類には寄生していると考えられる。渡島・檜山地方のイネ科(全般)牧草地やイネ科雑草において、散発的発生であるが10回すくい取りで3〜5頭程度捕獲される密度であった。道南農試圃場でもここ2年間発生していることから、常発していると考えられる。

    成虫の形態的特徴は、後腿節先端部に突起が2本あることで、他のムギカス ミカメ類と容易に区別ができる。

○マメ科牧草のアカホシカスミカメ(Creontiades coloripes Hsiao)(新発生)

発生場所:松前町のアカクローバーとイネ科牧草混蒔圃場

    上記の調査で、アカクローバーを含んだ部分のすくい取り調査で平均2.7頭のアカホシカスミカメ成虫・終齢幼虫が捕獲された。発生は局所的であった。

    本種は、本州では普通種で、マメ科牧草の害虫として知られている。
成虫は体長は6mm程度、触角・脚はやや長く、半翅鞘の中央部には通常真紅のストライプがあり、その先端に赤い小斑が1対あるようにみえる。

(道南農試)


 

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