北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成15年度新発生病害虫]

いちごのバラミドリアブラムシ(新発生)


発生時期
   
平成15年6月

発生場所
   
比布町(上川農業試験場)

発生経過と特徴
    平成15年6月,上川支庁管内比布町の上川農試ハウスで,高設栽培の四季成り性いちごにアブラムシの寄生が確認された。当初はハウス内ごく一部の発生であったが,7月下旬以後はハウス内全面に拡大し,多発生による吸汁被害とすす汚染が発生した。同定の結果,本種はバラミドリアブラムシRhodobium porosum(Sanderson)と判明した(病害虫防除所:鳥倉同定)。

    本種はバラの害虫として知られ,道内ではハマナス(Miyazaki,1971) ,栃木県や千葉県ではいちごでの発生が報告されている。本種は非移住性で、北米には完全生活環が分布するが、その他の発生地(寒冷地では温室内)からはおもに不完全生活環の個体群が知られる。

    今回の四季成り性いちご苗は冷凍状態で配布されており,育苗時には発生していない。また,11月においてもいちごで胎生虫の寄生が確認されており、本個体群は不完全生活環であることから、露地での越冬は困難で、長距離移動による飛来侵入の可能性が推測される。

               (上川農試) 


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