北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
発生時期 平成11年、15年 発生場所 共和町(平成11年)、伊達市、南幌町、滝川市(平成15年) 発生経過と特徴 平成11年に共和町、平成15年には伊達市、南幌町、滝川市などでブロッコリーの葉に黄化した不整形病斑が発生した。症状ははじめ葉脈間に針状の黒褐色小斑点が生じる。小粒点は次第に拡大・融合し、不整形病斑となり、病斑の周囲は黄化するようになる。葉の裏面に灰白色のかびが生ずる。 このかびは気孔部から抽出する分生子柄と分生胞子で、分生子柄は数回又 状に分岐し、先端に分生胞子を生ずる。分生胞子は円形〜楕円形で無色、大き さは南幌株で19.2〜29.1×18.8〜27.4μm(平均24.1×22.3μm)、滝川株で23.9〜 31.4×20.7〜27.8μm(平均26.3×23.3μm)であった。これら胞子懸濁液をブロッ コリー(「緑嶺」)に噴霧接種したところ、同様の症状が再現された。また、あぶらな 科植物13種の子葉に分生胞子を噴霧接種した結果、ブロッコリー、キャベツ、カリ フラワーおよび はぼたんで高率に発病が認められた。ルタバガおよびはくさいで は褐色の斑点が形成された。 以上の結果から、Peronospora parasitica (Persoon:Fries) Friesによるべと病と 同定された。 (花・野菜技術センター) |