発生時期
平成14年9月
発生場所
富良野市
発生経過
平成14年9月、富良野市で貯蔵中のにんじん根部が白色の病斑に覆われる症状が発生した。罹病部は水浸状に軟化腐敗し深く陥没する症状も見られた。病斑部から白色の菌そうで気中菌糸のない糸状菌が分離された。分離菌をにんじん根部に接種したところ、同様の症状が再現された。
特徴
病原菌の菌糸幅は6.9-13.7μmで、菌糸の先端は二又状に分岐する。分岐後、一方の菌糸は先端から分節して円筒状の分生子となり、その大きさは4.2-6.7×6.1-12.3μmである。炭素源の同化性はキシロース、グルコース、ガラクトース、ソルボース、ソルビトール、グリセロールおよびエタノール等を利用し、
セロビオース、マルトース、サリシン等を利用しない。ビタミンフリー培地で生育し、
多くの菌株は37℃で
わずかに生育する。生育適温は25-30℃で、20℃下で10日間
の菌そう直径は63mmである。
以上の諸性質から、本病菌はGeotrichum candidum Link と同定された。本病は
本邦で未報告の病害
であることから、病名を白かび病(新称)と提案した。
(花・野菜技術センター・富良野地区農業改良普及センター)
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