北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成14年度新発生病害虫]
ほうれんそうのべと病 (新レース)
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発生時期
- 平成14年4〜10月
- 発生場所
- 七飯町、比布町、釧路市、東神楽町および旭川市
- 発生経過
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平成14年4〜10月にかけ七飯町、比布町、釧路市、東神楽町および旭川市でほうれんそうのべと病が発生した。今回発生した品種は「アスティア」「ビッグスター」「アリスト」「ルーカス」「SC7-404」「SC7-405」で、何れもレース1〜4の抵抗性品種であった。北海道ではこれらの品種には発病させないレース3および4以外は認められていなかったので、道内において本病菌の新レースが出現したと考えられた。
- 特徴
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Correllらはレース1〜4抵抗性品種はべと病菌レース6に感受性で、レース5に対しては、いくつかの品種が抵抗性であると報告している。本病菌は接種試験の結果、レース1〜4抵抗性品種のうち、「アリスト」「ジョーカー」「アールフォー」「ルーカス」「アスティア」には発病させたが、「バンクーバー」「ドーバー」「サンパワー」には発病させなかった。さらに本病菌はレース1〜7抵抗性品種の「FSP332」には発病させなかった。以上のことから、本病菌はレース6ではなく、レース5の可能性が高い。しかし、レース1〜5に抵抗性の「プリウス」「01SP76」にもごく僅かに発病させる場合があり、レースを確定できなかったので、新レースの発生として報告する。
なお、レース1,3抵抗性品種の「ソロモン」「強力オーライ」「リード」は、新レースに対して抵抗性であった。
(道南農試・上川農試)
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