北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成14年度新発生病害虫]
水稲のアカスジカスミカメ(新発生)
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発生時期
- 平成14年7月
- 発生場所
- 道南農試予察田
- 発生経過
- 7月〜8月にアカスジカスミカメ(Stenotus rubrovittatus
(Matsumura))の成虫が、道南農試の水田圃場中央部に設置されている予察灯に誘殺された。本種は稲の斑点米を作る重要種の一つで、以前は岩手県と広島県に特異的に発生が多い種であったが、近年、西日本および東北地方全域でも発生が増加している。
道南農試の予察灯での誘殺状況
月・半旬 |
7.1 |
7.2 |
7.3 |
7.4 |
7.5 |
7.6 |
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同時期における場内の畦畔および雑草(メヒシバ、エノコログサ)のすくい取り調査では、本種は捕獲できなかった。
本種は、安永(2001)により1998年頃から渡島・檜山地方に定着が確認されていたが、水田付近で生息が確認されたのは初めてであり、その発生動向には注意が必要と考えられる。
- 特徴
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成虫の形態的特徴は、体長4.6-6mm、体色は淡い黄緑色で前胸背の両側から前翅会合部に続く太い条は橙赤色、触角と腿節も赤い。特に後脚が赤色で目立つのが大きな特徴である。背面は細かい毛でおおわれる。一見、ナカグロカスミカメと見間違いやすいが、それより小型(2/3程度)で丸味があり赤いなどの点から区別は容易である。本種が好む寄主植物は、イネ、トウモロコシ、ライグラス、スーダングラス、メヒシバ、エノコログサなどのイネ科植物である。
(道南農試)
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