北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成12年度新発生病害虫]
トルコギキョウえそ病(新発生)
- 発生時期
- 平成9年3〜4月
- 発生場所
- 由仁町
- 被害の様相
- 葉身および茎にえそ症状。
- 特徴
- 発病株は葉身に直径1〜4mmの退緑斑点およびえそ斑点あるいは不整形のえそ斑を示し、茎にはえそ条斑を示した。生育初期に感染したものは、頂部が屈曲し、花弁には斑入り症状を示した。11科42種の植物に接種したところ、マメ科・アカザ科など7科15種に局部感染したが、全身感染はChenopodium murale、Nicotiana cleverandii、N.benthamiana、トルコギキョウの4種のみだった。
病葉の電顕観察で径約35nmの球状ウイルス様粒子が集塊しているのが観察された。粗汁液中の不活化温度は90℃以上(10分)、希釈限界は10−10以上、保存限界は71〜79日間(20℃)であった。トルコギキョウえそウイルス(LNV:Ligianthus necrosis virus)の抗血清に対してELISA法および免疫電顕法により反応した。タンパク質の分子量は37.5〜38.5kDaであった。以上のことから本ウイルスをLNVと同定した。LNVによるトルコギキョウえそ病の発生は昭和62年に千葉県で、平成11年に長野県で確認されている。本ウイルスはOlpidium属菌によって土壌伝染する。
(北見農試・病害虫防除所)
新発生病害虫一覧へ戻る
ホームページへ戻る