北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成12年度新発生病害虫]
トルコギキョウの黄化えそ病(新発生)
- 発生時期
- 平成12年5月
- 発生場所
- 伊達市
- 被害の様相
- 生長点から枯死する。
- 特徴
- 発病株はえそ斑点を伴う激しい黄化症状を呈し、生長点が枯死して葉の展開が停止した。数種植物への接種試験の結果、Nicotiana glutinosa、タバコ「Bright Yellow」、Chenopodium quinoa、C. amaranticolor、メロンに局部感染し、トルコギキョウ、トマトに全身感染した。トルコギキョウでは本症状と同様のえそ症状が再現された。本分離株の粗汁液中での安定性は、耐熱性が45〜50℃、耐希釈性が10−2 〜10−3、耐保存性が20℃で4〜8時間であった。感染トマト葉片をグルタールアルデヒドで固定後、PTA染色し電子顕微鏡観察したところ、径約85nmの膜に包まれた球状粒子が観察された。また、トマト黄化えそウイルス(TSWV)抗体(日本植物防疫協会)にELISA法で明瞭な反応が認められた。以上のことから、本ウイルスをTSWV(Tomato spotted wilt virus)と同定した。
(中央農試・花野菜技術センター)
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