北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成12年度新発生病害虫]
カーネーションのウイルス病(新発生)
- 発生時期
- 平成12年3月
- 発生場所
- 当麻町
- 被害の様相
- 葉身に淡褐色の不定形斑紋が生じる。
- 特徴
- 数種植物への接種試験の結果、Chenopodium quinoa、C. amaranticolorに局部感染し、カーネーション、ナデシコ、Nicotiana cleverandii、トマトに全身感染した。カーネーションでは上位葉に本症状と同様の退緑斑点が再現された。感染カーネーション葉片をPTA染色し電子顕微鏡観察したところ、径約30nmの球状粒子の集塊が観察された。また、カーネーション斑紋ウイルス(CaMV:Carnation mottle virus)抗体(日本植物防疫協会)にELISA法で明瞭な反応が認められた。以上のことから、本ウイルスをCaMVと同定した。
本ウイルスの宿主範囲はやや広く、ナデシコ科、アカザ科、ヒユ科、ツルナ科、ナス科に感染する植物があるとされる。非常に汁液伝染し易く、作業に使用する刃物や手指、株の接触で伝染し、ウイルス媒介生物は発見されていない。カーネーションの病徴は品種によって異なるが、一般に不明瞭とされる。
(中央農試)
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