北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成12年度新発生病害虫]

いちごのニレワタムシ(新寄主)


発生時期
平成11年8月中旬
発生場所
小樽市蘭島
被害の様相
苗の生育不良。
特徴
 定植中のいちご苗の約30%の根に、白色のワックスをつけた淡褐色のネアブラムシ幼虫が見つかった。寄生された苗の生育はやや不良であったが、定植後は順調となった。飼育して10月上旬に得られた有翅虫を、北大農学部の秋元信一氏に同定依頼した結果、Eriosoma japonica(Matsumura)の産性虫であることが判った。本種のモルフの特徴は、腹部ロウ腺が大小のサークルよりなることである。本種は1次寄主のニレUlmusに葉巻き型ゴールを作る。2次寄主はバラ科草本の根で、主としてダイコンソウGeum、他にキンミズヒキAgrimoniaなどが知られている。なお、九州のいちごでは、E. yangi yangi Takahashi(参考:森津、1983「アブラムシ図鑑」)が寄生することが知られる。

(道南農試)



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