北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
[平成12年度新発生病害虫]
トマト白かび病(新発生)
- 発生時期
- 平成12年7月下旬
- 発生場所
- 伊達市
- 被害の様相
- トマト果実に白色のかびが生じ、腐敗する。
- 特徴
- 果梗部分や果実上部に発生が多く、はじめ白色ビロード状のかびが生え、その後水浸状に軟化腐敗し、不快臭を伴う。病原菌を分離、培養してトマト果実に接種したところ、熟果に有傷接種した場合のみに病徴が再現され、熟果であっても無傷接種の場合、また有傷接種でも未熟果には発病しなかった。PDA上での菌叢は平滑、白色で、気中菌糸はなく、分生胞子は菌糸先端部が切れて生じる分節型である。分生子ははじめは円筒状であるが、その後楕円形〜亜球形となり、大きさは3.6-5.2×4.8-12.7(平均4.2×7.2)μmであった。生育適温は25〜30℃で、5℃でも速度は遅いものの生育する。以上の特徴から、本病原菌はGeotrichum candidum と考えられた。本病は、欧米ではwatery- rot(またはsour-rot)と呼ばれ、ポストハーベスト病害としても普通に見られる病害であり、我が国では特に露地トマトで裂果した部分に発生が多いと報告されている。
(病害虫防除所・中央農試・日高西部農業改良普及センター・雨竜西部農業改良普及センター・西胆振農業改良普及センター)
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