北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成12年度新発生病害虫]

トマトの半身萎凋病菌のレ−ス2(新レ−スの出現)


トマトの半身萎凋病

発生時期および発生場所
平成10年6月に砂川市、平成11年7月に長沼町および平成12年5月に上磯町
被害の様相
下葉から黄化萎凋。
特徴
 茎を切断したところ維管束が褐変しており、この部分から高頻度にVerticillium dahliaeが分離されたことから、本症状は半身萎凋病と考えられた。しかし、いずれの品種とも半身萎凋病には抵抗性を有していることから、従来のレ−スに対する抵抗性品種を犯す新レ−スの出現が疑われた。
 各ほ場の罹病株から分離された菌を、半身萎凋病に感受性のトマト品種「ポンテロ−ザ」、「強力米寿」と、抵抗性のトマト品種「桃太郎」、「豊福」、「豊将」に接種して温室内で栽培したところ、いずれの品種も維管束褐変を伴う黄化・萎凋症状を示した。以上から、本分離菌は神奈川県、群馬県、福島県で既に報告のある半身萎凋病菌の新レ−ス(レ−ス2)と考えられた。本レ−スに対して抵抗性を示すトマトの栽培品種や台木は、国内では現在までのところない。

(花野菜技術センター・中央農試/道南農試)



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