北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成12年度新発生病害虫]

ブロッコリーの花蕾腐敗病(新称)


ブロッコリーの花蕾腐敗病

発生時期
発生場所
被害の様相
花蕾の一部が軟化腐敗する。
特徴
 ブロッコリーの花蕾腐敗症は古くから発生が見られた病害で、症状は花蕾の一部が水浸状で濃緑色に変色し、軟化腐敗する。本病は細菌性の病害であるとされるが、未だに病名は提案されていない。そこで、腐敗花蕾から細菌を分離し、病原性を有する菌株の同定を行った。ほ場試験で14菌株中8菌株が花蕾腐敗を再現させ、病原性が認められた。同菌株の細菌懸濁液を丸型プラスチック容器に入れ、小花蕾を浸漬して病原性を確認した(小花蕾法)ところ、ほ場試験と同様の結果で、分離細菌の病原性検定に有効な方法であった。小花蕾法を用いて424菌株の病原性を調べたところ、60菌株に強い病原性が認められた。これら病原細菌の細菌学的性質を調べた結果、病原細菌はPseudomonas marginalis , P. viridiflava,P.spp., Erwinia carotovora subsp. carotovoraと同定された。以上から、同細菌による花蕾腐敗症状を花蕾腐敗病(新称)と提案したい。

(花野菜技術センター・中央農試)



新発生病害虫一覧へ戻る
ホームページへ戻る