北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成12年度新発生病害虫]

ながいものナガイモコガ(新発生)


ナガイモコガ幼虫

発生時期
発生場所
被害の様相
ツル先端部の食害。
特徴
 ながいもの生育初期にツル先端部が食害され、分枝の展開が遅れる現象は、道央以南の地域で以前から認められていた。また、葉に対しては、幼虫初期は潜葉し、後期には表皮を残して裏面を食害する。このような被害は、従来ヤマノイモコガAcrolepiopsis suzukiella Matsumuraによるとされていた。今回の調査結果では、ながいもからはナガイモコガA. nagaimo Yasudaのみ確認された。本種は、道内では長沼町・共和町で1990年代にながいもから採集され、青森県・茨城県・鳥取県からの個体を含めて、新種として記載されたものである(Yasuda, K.,2000)。この数年、空知管内のながいもでは、6月下旬以降に食害が始まり、秋には葉面積が激減する例もみられていたが、これも本種によるものと推定される。本種はコナガに近縁で、マユはすかし俵様である。府県では成虫越冬とされるが、本道では未確認で、初夏以降に南方から飛来してくる可能性がある。

(道南農試)



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