北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成11年度新発生病害虫]

ひまわりの斑点細菌病(新発生)



症状写真
発生時期
平成9年7月
発生場所
滝川市の花・野菜技術センターの圃場
被害の様相
ひまわりの葉に斑点を生ずる病害が発生した。
はじめ水浸状の斑点が葉に現れ、2〜3mmで葉脈に囲まれた暗色で多角形の病斑となる。
やがて病斑の融合が確認され、大型病斑も形成される。
栽培された19品種のうち、5品種(大雪山、イタリアンホワイト、フロリスタン、ベルベットクイーンおよびルナ)にのみ発病が認められた。
病原体の特徴
病斑部から細菌を分離したところ、蛍光性を持つPseudomonas 属菌が高率に分離され、ひまわり(品種「ルナ」)に接種したところ、同様の症状が再現された。
分離細菌を10科25種の植物に接種したところ、ひまわりに強い病原性が認められたが、その他植物では発病が認められなかった。
分離細菌の細菌学的性質の特徴はゼラチンの液化は陽性であるが、速度は遅く、エスクリンおよびアルブチンを分解しない。
さらに、単一炭素源としてエリトリトール、マンニトールおよびソルビトールから酸を産生し、L-酒石酸およびグルコン酸を利用する。

以上の結果から、本病はPseudomonas syringae pv.helianthi による斑点細菌病と同定された。
(花・野菜技術センター・石狩北部地区農業改良普及センター)



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