北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成9年6月、七飯町のハウス栽培カ−ネ−ションに、草丈が低く、株全体のしおれや葉の巻き上がり、着蕾の遅れなどをともなった生育不良症状が発生しました。その被害株の根には多数のシストセンチュウ雌成虫やシストの着生が肉眼観察されました。線虫はシストと二期幼虫の形態的特徴及び雄が検出されないことなどからクロ−バシストセンチュウ(Heterodera trifolii Goffart)と同定されました(北農試、百田洋二氏同定)。
本被害は平成10年7月にも七飯町の他のカ−ネ−ション栽培農家でも確認されたことから、同町内の全カ−ネ−ション栽培農家51戸を調査したところ、5戸から本線虫が検出され、被害もカ−ネ−ション品種によりかなり異なっていました。また、ハウス周辺の自生シロクロ−バから49戸中11戸で本線虫が検出されたことから、本線虫は町全体に広く分布していると考えられます。