北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成10年度新発生病害虫]

ゴボウアザミの半身萎ちょう病(新発生)


半身萎ちょう病  ゴボウアザミ(ヤマゴボウ)は加工原料用および青果用の市場出荷を目的とする作物で、美幌町では約15haほどが栽培されています。平成8年10月に収穫した根部に中心柱が褐変する、いわゆる黒芯症状が多発しました。
 本症状から常法により分離を試みたところ、PDA上で始め白色で後に黒色に変化する菌そうを持つ糸状菌が高率に分離されました。これを土壌接種したところ自然発病と同様の病徴が再現され、褐変部分から本菌が再分離されました。
 本菌は単胞・楕円形の分生胞子(3.8〜6.5×2.0〜3.8μm、平均4.9×2.6μm)を車軸状の分生子柄に擬頭状に形成し、培地中に微小菌核を形成します。また、分生子柄の基部は褐色にならず、30℃で生育可能であることから、本菌はVerticillium dahliae と同定され、本症状は昭和60年に群馬県で報告されたゴボウアザミ半身萎ちょう病であることが明らかになりました。




(北見農試)



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