平成１０年に滝川市、旭川市でトマトが生長点から黄化する症状が発生しました。黄化した葉では黄色の輪紋が認められ、えそが生じます。やがて葉は巻き上がり、茎にもえそ条斑が認められるようになり、生育は停滞します。果実では緑色の濃淡部やえそが生じるため、被害は大きくなりました。罹病葉をトマトに汁液接種した結果、同様の黄化症状が再現されました。さらに、タバコ、ピーマン、ペチュニアなどの接種葉に局部病斑を形成されました。ＴＳＷＶ抗体（茨城県農総センター、津田氏より分譲）にエライザ法で高い反応が認められたことから、本ウイルスをトマト黄化えそウイルス（ＴＳＷＶ）と同定されました。発生ハウスではいずれもミカンキイロアザミウマが多発しており、本種により伝搬されたものと考えられます。