北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成8年、渡島管内森町の農家加温ハウスにおいてトマトのネコブセンチュウ抵抗性品種(桃太郎、ハウス桃太郎)に著しい根こぶが認められました。
被害根からはサツマイモネコブセンチュウMeloidogyne incognita(Kofoid et White)Chitwoodが検出され、トマト抵抗性品種に寄生できる「打破系統」と確認されました。実態調査の結果、打破系統は伊達市でも確認されました。
打破系統は、高温と抵抗性品種の連続的な栽培によって出現し、現在市販されているネコブセンチュウ抵抗性品種のすべてに寄生します。
本種の防除対策としては、抵抗性品種や対抗植物の利用、冬期間のビニール解放処理、太陽熱処理などの耕種的防除と薬剤防除が指導されています。打破系統の出現を回避するために高温時は換気に努めるとともに、抵抗性品種の利用に偏らないことが大切です。